この世に生まれて三十年にもなると、私は何につけても中途半端だな、と思うことが増えてくる。才能がある人はそろそろ社会的にも成功をおさめはじめるころで、それを見て焦っている、ということもあるのかもしれない。いわゆるライフステージも徐々に各々の道へ分かれていくころで、そろそろ白黒つけなくてはいけない、という世間の重圧も感じやすいからかもしれない。でも、実際の世の中は濃淡さまざまの美しいグラデーションでできているのだから、少しくらい何ともいえない淡いグレーの人間だっていていいはず。ここに私はいて、生きて、暮らしているぞという主張をしてもいいはず。ペールグレー日記は、そんな一個人の思いからはじめた、何につけてもどっちつかずな日常を気ままに綴る文章の記録です。